本事例では、これまでの学校の当たり前を疑いながら「先生が見ていてくれる」「いつでも戻れる」といった子供たちの心理的安全性を、ICTを介してどのように築いているのかを詳述し、通常学級における合理的配慮や不登校の未然防止への一助ともなる実践を紹介しています。
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背景:不登校児童生徒数35万人超。学校現場に求められる「心理的安全性」
文部科学省の調査(※)によると、小中学校における不登校児童生徒数は12年連続で増加し、過去最多の35万3,970人となりました。急増する不登校への対応として、文部科学省では「COCOLOプラン」(誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策)を推進しており、不登校児童生徒の実態に配慮した特別な教育課程を編成する「学びの多様化学校」(いわゆる不登校特例校)の設置が全国で進んでいます。2024年に開校し、学校法人三幸学園が運営する「東京みらい中学校」も、その一つです。
本事例は、子供たちの心理的安全性をICTを活用しながらどう構築していくか、その具体的な支援策を探るため、同校の先生方への取材を通じ作成しました。ICTを利便性や効率化の道具にとどめず、「個々の学びづらさを取り除くための配慮」として活用する、学校現場における心理的安全性の構築にフォーカスした事例となります。
不登校支援のプロフェッショナルである先生方が日々試行錯誤を繰り返しながら見出した貴重な実践を、特別な教育課程にとどまらず、教育業界における「一人ひとりの子供たちが学びやすい環境づくり」への一助としていただくために公開しました。
※文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」
本事例ハイライト:先生が設計する「安心の場」とICTによる支援
本事例の中では、スクールタクトを活用して、先生方がどのように子供たちの心理的安全性を築いているのか、以下のような実践知を紹介しています。
- リアルタイムの見取りと学びの自己選択:
教室・自宅・別室と、学ぶ場所が異なる生徒たちの学習状況をリアルタイムに一覧で見取っています。個人のペースで学べる自由進度学習や、4コマ漫画での多様なアウトプットなどを授業に取り入れ、自分に合った学びを自己選択できる環境を構築しています。 - 視線の往復への配慮:
遠くのホワイトボードと手元のタブレットを往復することで身体的な疲れを感じる生徒に配慮し、先生の板書情報をリアルタイムで生徒の端末に共有。視覚的な負担を軽減し、学びに集中できる環境を整えます。 - 匿名モード機能による自信の醸成:
過度に目立つことを恐れる生徒の心情に寄り添い、あえて氏名を伏せた状態で意見を共有。目立たずとも自分の考えが認められる経験を積み重ね、自己肯定感を育みます。 - 「いつでも戻れる」情報のアーカイブ化:
過去の板書や授業の進捗状況などを遡れる環境を整え、欠席などでの「学びの空白」による不安を緩和。「ここから合流できるよ」という声かけを、学びの記録が支えます。
「一人ひとりに寄り添いたい」「不登校を未然に防ぎたい」
本事例は、以下のような知見を求める方の参考となります。
- 不登校支援のアップデートを検討している自治体・学校の担当者の方
- 「誰一人取り残さない」学校・クラス運営を模索する先生
- 子供たちの心理的安全性を高めるICT活用に関心のある教育関係者の方
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